
─’02〜’03シーズン 第5戦─
LEEDS Utd vs MANCHESTER
Utd
;9/14 at ELLAND
ROAD
WE
DID IT!!
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リオ対スミスの旧友対決は、スミスに軍配!!
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"よっしゃーっっっ!!"
我がリーズ・ユナイテッド、対マンチェスター戦で5年ぶりの勝利!!歴史的背景もあり、いつも荒れるこの一番。"対マンチェスター戦はいつも特別である"。とはリーズ・ユナイテッドの選手達全員の言葉であるが、この勝利はただの"1勝"よりも持つ意味はでかい!!
序盤戦2連敗した時は、"今年もちょっと難しいかな・・・"なんて思ったけれど、これで強豪相手の2連勝!チームの状態もだいぶ良くなってきたし、雰囲気も上昇気流にあるし、このまま一気に突っ走れ!リーズ・ユナイテッド!
≪試合評≫
対マンチェスター戦、5年ぶりの勝利!もうそれでだけで十分だ!と言いたいところだが、せっかくのこの勝利を次に活かすためには、“反省”と更なる“あくなき挑戦”というものが必要である。
この試合、結局シーズン序盤から採用していた、4-3-3のフォーメーションを4-4-2に変えてきた。実は水曜日に戦った対ニューカッスル戦から、このフォーメーションを用いていたのだが、こちらのほうが、まだ、"まし"である。
左図のフォーメーション図を参照にして頂きたいが、結局キューエルをFWの位置に置き、MFはフラット気味の4枚を並べた。若干、スミスが上がり気味であるが、おそらく前半はべナブルスから少し我慢するように言われてたかもしれない。(我慢というのは、前に行く姿勢のことである。展開的に前半はマンUtdに押し込まれたのでDFする時間が自動的に増えたが・・・)
前半開始序盤は、スタジアムの異様なまでの雰囲気に後押しされる形で、リーズが少し押し込んだが、マンUtdはそれは分かってるかのように、得意のパス回しでリーズの気勢を削いでいき、徐々に試合を支配していく。リーズはそれに対して、我慢のDFが続く。GKのロビンソンを中心によく守った。ラッキーな面もあったがとにかくよく守った。
しかし、そこからボールを奪ってからの攻撃となると全く機能しなかった。カウンターとなるべき場面でも前線でボールキープができない。守備にに多くの時間を割かれたMFの押上げも遅く、間に合わない。孤立したFWの二人がすぐに相手DFに囲まれ、ボールを奪われる。何とかFWがキープでき、全体的な押上げが始まったとしても、そこからの展開が今年のリーズの課題であり、前節までの試合評でも書いたが、全く攻撃の形が見られないのである。
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決勝ゴールを決めたキューエルだが、その動きは絶好調時にはほど遠い・・・
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FWの位置に入ったキューエルの動きは全く精彩を欠いている。何回も書いたが、彼は今のプレースタイルでは中央を任せるのは、私は不可能であると思う。彼が中央に入ることにより、サイドのスペシャリストがいないため、攻撃に幅が全く無い。右サイドのスミスも結局中央でのプレーが本職のため、展開の中でサイドでプレーをしたとしても、個人でチャンスを作るということは難しいし、このポジションは彼のポジションではないと私は思う。
シーズン開幕前、"今シーズンは攻撃に関してはキューエル中心で考える"と言ったのは監督のテリー・ベナブルスだが、おそらく彼はキューエルのやりたいポジションで気持ちよくプレーさせたいのであろう。そして結局キューエルのポジションをFWの位置に入れたようだが、おそらく今のやり方では、今まで通り、リーズの攻撃は全く機能しないと私は思う。
とにかくサイドからの展開が皆無なのである。おそらく、キューエルの守備能力を考え、彼を左MFにおいて、ある程度の守備の課題を与えるよりも、FWの位置において攻撃に専念させてやるためにこの位置に入れ、任せることにしたのだろう。それならば彼はもっとやらなければいけない。彼よりは運動量のあるスミスが、犠牲という言葉はチームスポーツで使いたくはないが、本来のポジションではない所でのプレーを余儀なくされ、他の選手も皆それぞれ与えられたポジションで、それぞれの役割を果たしている。しかし、キューエルは現在のところ期待された役割を果たしているとは言えない。彼の為に、彼のやりたいポジションでプレーさせているのならば、それに応えなければ役割は果たしていないことになる。
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| リーズでも一番の人気を誇る彼であるが、最近のプレーには不満の声がファンの間から上がってきているのも事実。 |
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彼の今のプレースタイルでは中央でのプレーは不可能であると書いたが、中央でのプレーでは彼の持ち味が消えてしまうと言ったほうがいいかもしれない。今のキューエルは中央で後方からの楔(くさび)を受けようとしているのである。背中に相手DFを背負ってプレーしているのである。もちろん攻撃に入った場合、流れの中でそういった状況は生まれるかもしれないが、彼の良さはそこでは絶対に発揮されない。
一昨シーズン前の調子のいいときの彼のプレーを覚えている方なら分かると思うが、彼の良さはその抜群のスピード、前を向いた時のその切れのあるドリブルなのである。そのプレーで、試合の展開は大きくリーズに傾くし、展開に幅も出るし、得点チャンスも多いに増えるのである。
サッカーで攻撃を考える時、チャンスができる場面は大きく分けて二つある。パス回しを基本にしたチームプレーによるものか、誰かしらの個人プレーによるものの二つである。もちろん、チームプレーと言ってもその中にはパスミスをしないとか、ダミーの動きとか、感覚的な動きとか、そういったレベルでの個人プレーはふんだんに含まれている。しかし、ここで言いたい個人プレーというのは、最終的な場面での個人能力による突破であったり、奇抜なアイデアということである。このプレーを期待されているのが、リーズではキューエルだし、逆にリーズにはそのプレーを期待できるのは彼しかいないのである。
現在、プレミアリーグで活躍している選手では、アンリ、ピレス(アーセナル)、ギグス(マンチェスター)といった選手の位置付けなのがリーズではキューエルなのである。選手同士の比較というものは何の意味ももたないが、おそらくキューエル自信が、彼の今のプレーに不満を感じているはずだし、迷いを感じているはずである。単純に前述の彼らが一試合に個人プレーだけで作り出すチャンスの数と、キューエルのそれには大きな開きがある。
本当に誤解しないで欲しい。私はキューエルを愛している。サッカーの本当の面白さはこのポジションの選手達の活躍によって左右されるというのが私の意見であるから、少々(もの凄く?)熱が入るのである。
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かつてのファンタジスタ達は、自分がどこで活きるのか、その場所を見つけることにも秀でていたともいえる |
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"ならば今後彼のポジション、そしてプレーはどうすればいいのか"という声が聞こえてきそうだが、私は彼に"もっとサボれ"と言いたい。それは、自分が活きるポジションを早く見つけて欲しいということに繋がっている。彼の活きるポジション、それはある程度のスペースがあり、背中にDFなんか背負わないで、前を向いて勝負できる場所である。その位置はFWながらサイドに開いた、DFにとって一番マークし難いポジション。かつて、多くのファンタジスタ、─マラドーナや、ハジ、ストイコビッチ─ が位置どったポジションである。
例えば攻撃されている場面では、守備はサボっていいから、カウンターに備えてボールが来ればスペースがあり、前を向けるポジショニング(ハーフウェイライン付近のサイド辺り)をとり、遅効の時は"つぶれ役"はビドゥカに任せ、混戦を避け、自分はとにかくフリーになれる位置を見つける動きである。この動き、ポジショニングが、キューエルのこれからトップクラスの選手として生き残るために必要なものであると私は思う。おそらく彼が今のポジション、FWとして中央にべったりと張り付き、サイドアタックを忘れたポジションでプレーし続けるならば、彼のこれからの抜群の活躍は難しいと予想する。
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| 後半からべナブルスが投入したバッケの交代は、素晴らしく機能した |
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話が少し個人的な批評となってしまったが、試合のほうはとにかく、前半は苦しい展開となった。流れが変わったのは後半から。前半を終えた段階で、ベナブルスハは二人の選手交代をする。一人は怪我をしたマテオに変わり、ラデベというものであったが、もう一人は、バーンビーに変えて、バッケであった。このバッケの投入がリーズの攻撃をスムーズにした。
前回までの私の観戦記をご覧になって頂いた方は耳にしたかと思うが、今シーズンここまでのバッケは、素晴らしい活躍というものには程遠かった。それは"4-3-3のフォーメーションによる、ワン・ボランチ的なポジションに苦しめられてり、ボランチを2枚のうちの一人という形ならば彼は機能する"とも書いたが、今日の試合はまさしくそれであった。
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後半からは、右図のように、キューエルをサイドに開かせ気味の、中盤5枚のような形にしたが、サイドの幅も広がり、中盤の底から、ボイヤー、バッケがどんどん飛び出し、マンU・DFをかく乱した。特にバッケの動きは面白く、するすると何気なく上がっては深い位置でポイントを作ったり、得点に絡むのである。今シーズン、スミスを右MFで使う以上、ボランチの位置にはボイヤーとダクールが一番候補かもしれないが、均衡状態に陥った時のバッケの投入は非常に面白いと思う。
さて、試合のほうは皆さんご存知の通り、1-0であったが、この試合、まだ全体的には調子の悪いリーズながら、もう一つの彼ららしさが十二分に見えた。それは、"リーズ魂"である。とにかく運動量を落とさず最後まで走り抜くのである。その一番隊長がリー・ボイヤーであり、それに続くのがスミス、ミルズ、ダクールである。もちろんこの試合の持つ意味の大きさがあまりにも大きいいため、自然に気合は入ったのかもしれないが、彼らの運動量はいつ見ても感動ものである。"気合勝ち"なんて言葉はサッカーではあり得ないという人もいるが、そう思う人はこの試合を見てほしいぐらいである。
とにかく、5年振りのマンチェスター戦の勝利!私個人としても、初めて彼らがマンチェスターに勝利を収めるのを目の当たりにし、涙が出るほど嬉しかった。声は枯れ、ロスタイムでは足はガタガタ震えていた。しかし、この勝利を無駄にしないためにも、本当に今のやり方でいいのか、チーム全体として、また選手個人個人としてもっともっと考え、更なる追求を目指すことを期待したい。
私はリーズの、その気合十分な、ガチンコサッカーも一つのチームカラーとして好きだ(時々行き過ぎだけど・・・)。しかし、それだけではチームの成熟度としては十分ではない。"これがリーズのサッカーだ"と呼べる確固たるものができあがった上で、この"リーズ魂"が加われば鬼に金棒、マンUにリオ・ファーディナンドである。
その日を見るまで私はこの地を去ることはできない!!

≪スタジアム裏情報≫

多くの警官によりサポーター同士の大きな激突は避けられた
この日、リーズ中が沸いた。
老いも若きもこの勝利に酔いしれた。そこには我々よりもはるかに奥深い喜びが彼らの中に存在する。
"いつもマンチェスターに後塵を拝してるから"。"カントナに引き続きリオも取られたから"。確かにそうである。しかしそれは彼らにとってただの出来事にすぎない。
"薔薇戦争"
15世紀の半ばより、ランカスター家とヨーク家の間で約30年間弱続いた争い、薔薇(ばら)戦争─。ランカスター家は現在マンチェスターが属する地域、"ランカシャー"を、ヨーク家は現在リーズが属する"ヨークシャー"を領土とし、それぞれ、ランカスター家は紅の、ヨーク家は白の薔薇の紋章を身にまとい戦った。その名残は今も両チームのユニホームのカラーとして、その歴史の深さが如実に残る。
その薔薇戦争、形勢不利のヨークシャー家が王妃を嫁がせるかたちで一応の終末を迎えた。
長い月日が経ち、カントナも、そしてリオもあちらへ嫁いだ。
しかしもうこれ以上はない。次はない。絶対にない。そう願いたい。
リーズ・ユナイテッドvsマンチェスター・ユナイテッド。
単なるリーグ戦の中の一つの試合としては収めることのできない、深い深い歴史がそこにはある。
